「そろそろ今の税理士さんを変えようかな」「起業したけれど、どんな事務所に頼めばいいんだろう?」そんなとき、候補に挙がるのが「中規模な税理士事務所」です。
個人の税理士事務所よりも組織力があり、超大手(税理士法人)ほどドライではない。一見すると「ちょうど良さそう」に見えますが、実はメリットだけでなく、特有のデメリットも存在します。
この記事では、数多くの経営者から相談を受けてきた税理士の視点で、中規模税理士事務所の実態と、貴社にとって本当に最適な選択肢なのかを判定するポイントをわかりやすく解説します。
中規模税理士事務所とは?(1分でわかる概要)
明確な定義はありませんが、一般的に「職員数が10名〜30名程度」の事務所を指すことが多いです。
- 個人事務所
税理士1人 + 事務員数名(アットホームだが、属人化しやすい) - 中規模事務所
複数の税理士 + 専門スタッフ(組織として動く。得意分野が分かれている) - 大手税理士法人
職員数百名〜(システム化されているが、担当者が若手になりがち)
中規模事務所は、いわば「個人の柔軟性」と「大手の組織力」をいいとこ取りしようとしている存在だと言えます。
中規模税理士事務所を選ぶ「3つの大きなメリット」
中規模事務所を選ぶ最大の利点は、「対応の幅」と「安心感」のバランスにあります。
担当者が不在でも「組織」でカバーしてくれる
個人事務所の場合、先生が病気や出張で不在になると業務が止まってしまうリスクがあります。中規模事務所であれば、担当者が休みでも他のスタッフや代表税理士が状況を把握しているため、急ぎの相談にも組織として対応可能です。
税務以外の周辺知識(融資・補助金)が豊富
スタッフ数が多い分、事務所内に「融資に強い人」「IT導入補助金に詳しい人」「相続が得意な人」など、専門特化した人材が揃っている傾向があります。税務申告だけでなく、経営全般のサポートを期待できます。
担当者のレベルが一定以上に保たれている
中規模以上の事務所は、所内での研修制度やマニュアルが整備されていることが多いです。そのため、担当者による「当たり外れ」が個人事務所に比べて少なく、安定したサービス品質が期待できます。
知っておきたい「2つのデメリットと注意点」
良い面ばかりではありません。以下のポイントは契約前に必ず確認しておくべきです。
顧問料が個人事務所より高くなる傾向がある
組織を維持するための固定費(オフィス代や人件費)がかかるため、格安を売りにしている個人税理士に比べると、顧問料は数千円〜数万円ほど高くなるのが一般的です。
「代表税理士」が直接担当してくれることは稀
中規模事務所の場合、代表者はマネジメントや難易度の高い案件に集中しているため、実務を担当するのは職員(無資格者を含む)になることがほとんどです。「有名な先生だから選んだのに、一度も会えない」というミスマッチが起こりやすいのもこの規模の特徴です。
【比較表】個人・中規模・大手の違い
貴社が何を重視するかで、選ぶべきパートナーは変わります。
| 比較項目 | 個人事務所 | 中規模事務所 | 大手税理士法人 |
| 顧問料 | 安め | 標準 | 高め |
| レスポンス | 先生次第(早い/遅い) | 安定して早い | 組織的だが定型的 |
| 専門性 | 先生の得意分野に依存 | 幅広く対応可能 | 非常に高い(高度な組織再編など) |
| 親近感 | 非常に高い | ほどよい | ドライ |
| 向いている企業 | 副業・一人社長 | 年商5,000万〜数億円規模 | 上場準備・大企業 |
税理士からのワンポイントアドバイス:ここをチェック!
中規模事務所を検討する際、面談で必ず「私の担当者は誰になりますか?」と聞いてください。中規模事務所でよくある失敗は、面談に出てきた感じの良い代表税理士に惚れ込んで契約したものの、実際の担当者は入社1年目の新人だったというケースです。
- 担当者の経歴や業界知識は十分か?
- 最終的なチェックは誰(税理士)が行うのか?
- チャットツール等のレスポンス速度はどの程度か?
この3点を確認するだけで、契約後のストレスは激減します。
まとめ:中規模事務所は「成長期の会社」に最適
中規模税理士事務所は、「ビジネスを拡大させていきたい、または既に一定の規模があるが、大手ほど高額な費用は払いたくない」という経営者にとって、最もコストパフォーマンスの良い選択肢です。
「うちはどの規模の事務所に頼むのが正解なの?」「今の税理士さんの対応に不安がある……」そんな悩みをお持ちの方は、まずは自社の今のフェーズを整理することから始めましょう。
もし、貴社の状況に合わせた具体的なアドバイスが必要であれば、当事務所にお気軽にお問い合わせください。
貴社の成長を支える最適なパートナーとしてサポートいたします。


