相続で「もめてもいい」人は一人もいない。税理士が教える、良い財産・悪い財産の境界線

相続税
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「相続財産」と聞くと、多くの人が「お金がもらえるラッキーなイベント」というイメージを持つかもしれません。しかし、現場で数多くの相続に関わってきた税理士の視点は少し違います。

「その財産は、家族を幸せにするか?それとも、争いの種になるか?」

相続には、受け取った後に家族が笑顔になる「良い財産」と、逆に親族間のトラブルや税金の支払いで頭を抱えることになる「悪い財産」が存在します。

この記事では、経営者や個人事業主の方が今のうちに知っておくべき、相続における「財産の質」について、日本一わかりやすく解説します。


そもそも「良い財産」「悪い財産」の定義とは?

税務上の視点で見ると、良い・悪いの基準は非常にシンプルです。

  • 良い財産
    価値が明確で、分けやすく、納税資金(キャッシュ)に困らないもの。
  • 悪い財産
    価値が不明確で、分けにくく、維持費や税金だけがかかるもの。

これらを具体的な項目で比較してみましょう。

分類具体的な財産例特徴
良い財産現預金、上場株式、都心の賃貸不動産換金性が高く、遺産分割がスムーズ。
悪い財産地方の広大な土地、自社株(非上場)、共有名義の不動産売りたくても売れず、分けることも困難。

税理士が太鼓判!相続における「良い財産」3選

現金・預貯金(最強のオールラウンダー)

説明不要かもしれませんが、現金は最強です。1円単位で分けることができるため、相続人同士の不公平感が生まれません。

また、相続税は原則「現金一括納付」です。現金があれば、家を売って税金を作る必要もありません。

都心の駅近物件(収益性と流動性)

不動産の中でも、需要が高いエリアの物件は「良い財産」です。「自分で住む」「他人に貸して収益を得る」「売却して現金化する」という選択肢が豊富だからです。

また、相続税評価額が時価(実勢価格)よりも低くなることが多いため、節税効果も期待できます。

生命保険金(納税資金と分割の切り札)

生命保険金は、厳密には「受取人固有の財産」です。遺産分割協議を待たずにすぐ現金が手に入るため、葬儀費用や当面の生活費、相続税の支払いに即座に対応できます。

また、「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠があるのも大きなメリットです。


要注意!後悔を招く「悪い財産」3選

地方の「山林・原野」や「使い道のない土地」

いわゆる「負動産(ふどうさん)」です。売却が困難な上に、固定資産税や管理義務(草刈りなど)だけが遺族に重くのしかかります。

「親が持っているから一応引き継いだが、誰も住まないし買い手もつかない」という状況は、相続人にとって苦痛でしかありません。

非上場企業の「自社株」

経営者の方にとって、自社株は人生の結晶です。

しかし、後継者以外が相続すると厄介です。「価値は高い(税金がかかる)のに、換金できない(売れない)」という地獄のような状況を生みます。

事業承継対策をしていない自社株は、時に家族を破滅させる「最悪の財産」に豹変します。

共有名義の不動産

一つの土地や建物を、兄弟複数人で「持ち分半分ずつ」のように所有することです。これはトラブルの予約をしているようなものです。

将来、売却やリフォームをしようとしても全員の合意が必要になり、世代が変わって孫の代になると、権利関係が複雑すぎて手が付けられなくなります。


シミュレーション:財産構成でこれだけ変わる!

例えば、相続税が 3,000万円 かかるケースを考えてみましょう。

  • ケースA(良い財産中心)
    資産:現預金 5,000万円 + 自宅 5,000万円→ 現金で即座に納税完了。残った2,000万円と自宅を円満に分けられる。
  • ケースB(悪い財産中心)
    資産:地方の土地 8,000万円 + 自社株 2,000万円(現預金なし)→ 手元に現金がないのに、税金3,000万円を払わなければならない。 土地を売りに出すが、買い手が見つからず、延滞税が膨らむ…。

この差は、生前の準備(出口戦略)があったかどうかだけで決まります。


税理士からのワンポイントアドバイス:今すぐできる「財産の断捨離」

実務の現場からお伝えしたいのは、「相続対策とは、財産を増やすことではなく、整理すること」だということです。

  1. 「名寄せ」で見える化する
    どこに何の不動産があるか、全て把握していますか?不要な土地は、生前に売却するか、自治体への寄付などを検討しましょう。
  2. 「争い」の芽を摘む
    分けにくい財産(不動産など)があるなら、それを誰が継ぐか、代わりに誰に現金を渡すか、遺言書で指定しておくのが鉄則です。
  3. 「自社株」は早めに動く
    経営者の方は、株価が低い時期を狙った贈与や、事業承継税制の活用を専門家に相談してください。

まとめ

相続において大切なのは、「いくら残すか」よりも「どういう形で残すか」です。

  • 現金・収益不動産・保険をバランスよく組み合わせる。
  • 使い道のない土地・共有名義・対策なしの自社株を放置しない。

これだけで、あなたの家族が相続後に苦しむリスクを劇的に減らすことができます。「うちの財産はどうなんだろう?」と少しでも不安に感じたら、まずは財産目録を作ることから始めてみてください。

もし、「自分の持っている土地の価値がわからない」「自社株の評価額が怖くて計算していない」という方がいらっしゃれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの財産を「良い財産」に変えるお手伝いをいたします。

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