【解説】「貸方・借方」は忘れてOK!数字が苦手な社長でも5分でわかる、経営に必要な「たった2つの数字」

法人経営
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「決算書を見ても、どこを読めばいいのかさっぱりわからない…」
「税理士から『貸方が〜』と言われるたびに、思考が停止してしまう」
「結局、会社にいくらお金が残っているのか、直感的に把握したい」

日々、現場で汗を流し、決断を下す社長にとって、簿記の細かいルールを覚えることは本業ではありません。実は、経営を正しく舵取りするために、「貸方(かしかた)」「借方(かりかた)」なんて言葉は、今すぐ忘れてしまっていいんです。

多くの社長が会計を苦手とする理由は、専門家向けの「記帳のルール」を学ぼうとしてしまうからです。経営に必要なのは、仕訳の技術ではなく「お金の構造」を見抜く力。

この記事では、難しい用語を一切排除し、社長が明日から経営判断に使える「たった2つの数字」について解説します。


なぜ「貸方・借方」は覚えなくていいのか?

結論から言うと、貸方・借方は「記録するための記号」に過ぎないからです。

  • 貸方・借方
    経理担当者や税理士が、会計ソフトに入力するための「手段」
  • 経営数字
    社長が会社を存続させ、成長させるための「判断材料」

社長の役割は、ソフトに入力することではなく、出てきた数字から「次の一手」を決めることです。カーレースのドライバーが、エンジンの構造(仕組み)を詳しく知らなくても、タコメーターとスピードメーター(結果)さえ見れば最速で走れるのと同じです。


経営者が把握すべき「たった2つの数字」

複雑な決算書の中で、社長が本当に見なければならないのは、実はこの2つだけです。

  1. 「限界利益(粗利)」
    その商売にどれだけ「馬力」があるか
  2. 「現預金の残高」
    あとどれくらい「息ができる」か

それぞれ詳しく見ていきましょう。

「限界利益(げんかいりえき)」= 商売の本質的な稼ぐ力

「売上」ばかりを気にする社長が多いですが、売上はあくまで「通過点」です。本当に大切なのは、売上から「売れば売るほど増えるコスト(変動費)」を引いた、限界利益(いわゆる粗利)です。

売上 - 変動費(仕入・外注費など) = 限界利益

この数字がマイナス、あるいは極端に低い場合、どんなに売上を伸ばしても会社にお金は残りません。むしろ売れば売るほど赤字が膨らむ「忙しいだけの倒産」に向かってしまいます。

「現預金の残高」= 会社の生存日数

「利益が出ているのに、なぜか手元にお金がない」というのは、多くの中小企業が抱える悩みです。利益は「意見」ですが、キャッシュは「事実」です。

帳簿上の利益よりも、「今、通帳にいくらあるか」。そして、それが「毎月の固定費(人件費や家賃)の何ヶ月分か」を把握すること。これこそが、倒産を避けるための唯一にして最強の指標です。


専門用語ゼロ!「お金の構造」を表で理解する

数字が苦手な方は、以下の表を頭に入れてください。上側に入ってくるお金、下側に出ていくお金をイメージするだけです。

項目内容経営者のチェックポイント
売上お客さまから頂いた総額単価 × 数量。ここを追うだけでは危険!
変動費仕入、材料費、外注費など売上に比例して増える「削れない経費」。
限界利益【重要】粗利のことここが会社の「稼ぐ力」。固定費より多いか?
固定費給料、家賃、リース料など売上がゼロでもかかる経費。会社の「維持費」。
経常利益手元に残る(はずの)利益限界利益から固定費を引いたもの。

実務でのシミュレーション例

例えば、1個1,000円の商品を売っているとします。

  • 仕入(変動費)が600円なら、限界利益は400円です。
  • 毎月の家賃や給料(固定費)が40万円なら、1,000個売ってようやくトントン。
  • 1,001個目から、やっと1個につき400円の利益が積み上がります。

社長が考えるべきは「貸方・借方」ではなく、「どうすれば400円(限界利益)を増やせるか?」「1,000個という損益分岐点をどう下げるか?」の2点だけなのです。


税理士からのワンポイントアドバイス:試算表は「差額」だけ見ればいい

毎月送られてくる「試算表」。数字が羅列されていて、どこを見ればいいか絶望しますよね。実務上のコツは、「先月との差額」と「前年同月との差額」だけをチェックすることです。

チェックリスト

  • 限界利益率(売上に対する粗利の割合)が下がっていないか?
    下がっていれば、仕入値の上昇や、現場でのロス、無理な値引きが起きています。
  • 固定費がじわじわ増えていないか?
    特に「諸会費」「支払手数料」「広告宣伝費」など、一度契約すると放置されがちな項目にメスを入れてください。

まとめ:数字は「守り」ではなく「攻め」の武器

「貸方・借方」といった会計のルールは、あくまで「過去の結果」を整理するためのものです。しかし、経営は「未来」を作る作業です。

社長がやるべきことは、たったこれだけ。

  1. 自社の「限界利益」を正確に把握する。
  2. 固定費を上回る利益を出すための「販売数」を逆算する。
  3. 常に「固定費の3ヶ月〜6ヶ月分」の現預金を確保するよう動く。

この視点を持つだけで、決算書の見え方は180度変わります。数字は怖いものではなく、進むべき道を照らす「羅針盤」になります。

もし、「自分の会社の限界利益がいくらなのか、計算が合っているか不安だ」「資金繰り表の作り方がわからない」という場合は、いつでもお気軽にご相談ください。社長が本業に集中できるよう、難しい会計用語を「経営の言葉」に翻訳してお伝えします。

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